弁護士法人名古屋総合法律事務所は、債務整理・相続・離婚・交通事故・不動産法務・中小・中堅企業法務の6分野に特化した法律事務所です。
「近いうちに破産をする予定なので、遺産は他の兄弟に譲りたい。」
このような場合に、遺産分割協議で自分は何も取得しない内容にしても問題ないでしょうか。
結論から申し上げますと、破産予定であることを理由に、意図的に相続財産を取得しない内容の遺産分割協議を行うと、後に破産手続において否認される可能性があります。
最高裁判所は、遺産分割協議は、財産権を目的とする法律行為であるため、詐害行為取消権の対象となり得ると判示しています(最判平成11年6月11日)。
したがって、破産者が、破産手続開始決定前に、自らの取り分を不当に減らすような遺産分割遺産分割協議を行っていた場合、詐害行為否認(破産法160 条1項)や無償行為否認(破産法160条3項)の対象になるものと解されます。
もっとも、「法定相続分より少ない財産しか取得していない」というだけで、直ちに否認の対象となるわけではありません。
問題となるのは、その遺産分割の内容が、具体的相続分や遺産分割の事情に照らして不当に財産を減少させるものかどうかです。
相続では、法定相続分だけでなく、特別受益や寄与分なども考慮した具体的相続分が最終的な取り分となります。
そのため、詐害性の判断も、法定相続分ではなく具体的相続分を基準として行われるべきと考えられています。
そして、民法906条は、遺産分割に当たり「各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情」を考慮すべきと定めています。
そのため、例えば、被相続人と同居していた配偶者の居住を確保するため、自宅をその配偶者が取得する内容の遺産分割が行われ、その結果として破産予定者の取得額が具体的相続分を下回ったとしても、そのような事情に合理性が認められるのであれば、否認の対象とならない場合も考えられます。
このように、遺産分割に関する個別具体的な事情によって合理性が認められるかは異なってくることになります。
では、実際に破産管財人が否認権を行使した場合、遺産分割協議はどうなるのでしょうか。
この場合、従前の遺産分割協議は効力を失い、相続人間で改めて遺産分割協議をやり直すことになります。
そして、この新たな遺産分割協議には、破産者本人ではなく、破産管財人が当事者として参加することができます。
以前は、遺産分割の調停・審判や登記手続において、破産管財人が当事者となることは認められていませんでした。
しかし、現在の実務では運用が変更され、調停・審判手続だけでなく、遺産分割協議やその結果に基づく登記手続においても、破産管財人が当事者として関与することが認められています。
そのため、一度「相続しない」という内容で合意したとしても、それで問題が解決するとは限りません。むしろ、否認によって協議をやり直すこととなり、結果として破産管財人を交えた協議が必要になる可能性があります。
破産を予定している場合には、「家族のためだから」「迷惑をかけたくないから」と安易に遺産を放棄する内容の遺産分割協議を行うことは相当といえません。
もっとも、破産手続開始蹴って前に家庭裁判所に対して相続放棄をした場合には、遺産分割協議とは異なり、否認の対象にならないと考えられています。
この点について、最高裁判所は、相続放棄については詐害行為取消権の対象とならないと判示しています(最判昭和49年9月20日)。
その理由として、相続放棄は身分行為であり、その選択は本人の自由な意思に委ねられるべきこと、相続放棄は既得財産を積極的に減少させるものではないことがあげられています。
そのため、破産手続開始前に破産者が相続放棄をしていた場合、身分行為であるため、否認の対象にはならないとされています。
また、破産手続開始前に破産者が相続放棄をした場合、原則として限定承認の効力となります(破産法238条1項後段)。
限定承認については以下の解説ページをご覧ください。
(限定承認とは)https://www.nagoyasogo-souzoku.com/souzoku-houki/limited/
破産予定だからといって、「自分は遺産を一切取得しない」という内容の遺産分割協議を安易に行うと、かえって遺産分割協議のやり直しが必要となるなど、それまでの遺産分割協議が徒労になってしまう可能性があります。
一方で、相続人それぞれの事情を踏まえた合理的な遺産分割であれば、取得額が少ないという理由だけで直ちに否認されるものではありません。
遺産分割協議を行う時期に債務整理や自己破産を検討している場合には、後日のトラブルを避けるためにも、破産手続による影響を踏まえた上で協議内容を検討することが重要です。
【ご相談予約専門ダイヤル】
0120-758-352
平日・土日祝 6:00-22:00
【相談時間のご案内】
| 平日 | 9:00-18:30 |
|---|---|
| 夜間 | 17:30-21:00 |
| 土曜 | 9:30-17:00 |
※夜間相談の曜日は各事務所により異なります
詳しくはこちら▶
事務所外観




より良いサービスのご提供のため、債務整理の取扱案件の対応エリアを、下記の地域およびその周辺地域に限らせて頂いております。
法人破産に関しては、広域対応をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
【取り扱いエリア】
愛知県西部
(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区, 豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村), 一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部
(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部
(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部
(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部
(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部
(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部
(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)
〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階 TEL: 052-231-2601(代表) FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故、遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見、不動産・借地借家、離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題、債務整理、過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生、企業法務、契約書作成・債権回収、コンプライアンス、雇用関係・労務問題労働事件、対消費者問題、事業承継、会社整理、事業再生、法人破産
■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,
豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),
一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,
大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)