債務整理弁護士による任意整理、自己破産、個人再生、過払い金、会社整理

弁護士法人 名古屋総合法律事務所

名古屋・丸の内事務所

地下鉄 鶴舞線・桜通線
丸の内駅4番出口徒歩2分

金山駅前事務所

金山駅
南口 正面すぐ

本山駅前事務所

本山駅
3番出口すぐ

岡崎事務所

JR岡崎駅
徒歩5分

弁護士法人名古屋総合法律事務所は、債務整理・相続・離婚・交通事故・不動産法務・中小・中堅企業法務の6分野に特化した法律事務所です。

愛知県名古屋市の債務整理弁護士による自己破産・再生・過払い・法人会社整理破産のご相談

免責不許可事由として「浪費」と裁量免責について

自己破産において、法律上、免責不許可事由に該当しない限り、免責許可決定が出されますが、免責不許可事由の1つとして、「浪費」によって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したことが規定されています(破産法252条1項4号)。

では、ここにいう「浪費」とはどのようなことをいうのでしょうか?

また、「浪費」に該当するとして、どのような場合に裁判所の裁量によって免責が許可される(裁量免責)のでしょうか?

この点について、裁判例を見てみましょう。

A

事件の概要

Xさんは、自宅マンションの購入に際し、勤務先の銀行から借りた資金の余剰資金を原資として、株式投資を始めました。しかし、株式投資の運用を任せていた投資顧問会社が倒産してしまったため、住宅ローン約2,000万円と、親戚から借りていた借金約100万円の債務を負ってしまいました。

その後、Xさんは親戚から上記借金の返済を迫られたことから、金融機関3社から720万円を借り入れました。Xさんは、株式投資によって金融機関に対する債務を返済しようと考え、別の金融機関4社から3,650万円を借り入れて株式投資を行いました。しかし、株式暴落により、多額の損失を負ってしまいました。

Xさんは、その後、職場を退職し、シンクタンクを設立して事業を行うことを計画しましたが、うまくいきませんでした。そのため、Xさんは自宅を売却し、売却代金5,730万円を債務の返済に充てましたが、約23名の債権者に対して、約2,151万円の債務が残ってしまいました。

A

決定要旨

⑴ 浪費行為について

裁判所は、以下の理由から、Xさんは「浪費」に該当すると判断しました。

Xは、投資顧問会社が倒産したことにより株式投資により得た利益を失い、債務を弁済するために再度株式投資を始めた昭和62年には、約3,000万円の借財をしていたのであるから、銀行員としての収入等に照らして堅実な返済方法をとるべきであったにもかかわらず、再度株式投資を計画し、当時のXの財産状態に照らして不相応な計3,650万円もの多額な借り入れを行って、その大部分をもとに株式投資を再開し、その結果過大な債務を負担したものであって、その行為は、(現行)破産法252条1項4号所定の浪費行為に該当する。

⑵ 裁量免責について

もっとも、「浪費」に該当するとしても、以下の理由から、裁判所はXさんには裁量免責を認め、経済的更生を図るべきであると判断しました。

  1. Xが債務を支払う単に株式投資を始めたことは、債務の堅実な返済手段とはいえないが、当時のバブル経済の渦中にあっては、Xのように株式投資に走ったことも無理からぬ面があるといえること。
  2. Xの株式投資が行き詰ったのは、平成2年の株式暴落が直接の原因であり、その責めをXのみに帰することはできないこと。
  3. Xは、退職して退職金を債務の返済に充てたほか、自宅を売却してその代金を債務の返済に充てるなど、それなりに誠実に債務の支払に努めてきたこと。
  4. Xは、Xを援助してきた父が死亡し、妻とも離婚するなどして、親戚等から経済的援助を受ける見込みが少ない上に、重度の身体障害者である母を扶養せざるを得ない立場にあること。

⑴ 「浪費」について

「浪費」に該当するか否かは、破産者の財産、収入、社会的地位、生活環境と対比して、破産者の金銭の支払や財産の処分行為が、使途、その目的、同期、金額、時期、生活環境、社会的許容性の有無等を総合的に判断し、当該支出が過度か否かで判断されます。

上記裁判例では、約3,000万円の債務を有していたことから、銀行員としての収入に照らして堅実な返済方法を採るべきであったにもかかわらず、さらに3,650万円を借り入れて株式投資を行い、その結果過大な債務を負担したことは「浪費」に該当すると判断されました。

A

⑵ 裁量免責について

次に、裁量免責ついて、その判断要素は、条文上、「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情」としか規定されていません。

そこで、有力な学説では、主な判断要素として以下のものを挙げています。

  1. 破産手続開始までの事情
  2. 免責不許可事由に関する事情
  3. 債権者側の事情
  4. 破産手続開始決定後の事情
  5. 免責許可決定のもたらす影響

もっとも、これらの要素は、事案によって重点事項に相違があることを前提とされています。

上記裁判例では、主にアの事情を検討して免責を認めたと考えられています。

以上のように、仮に免責不許可事由に該当してしまったとしても、裁量免責が出される余地は十分にあります。

弊所では、免責不許可事由の有無及び内容をお聞きした上で、裁量免責の可能性、裁量免責が難しいと思われる場合には、破産以外の手段(個人再生等)による解決のサポートをさせていただきます。

自己破産についてお悩みの方は、弊所までお気軽にご相談ください。

A

  • 小早川秀樹『一問一答新しい破産法』(商事法務、2004年)
  • 伊藤眞ほか『条解破産法(第3版)』(弘文堂、2020年)
  • 芳賀雅顯『倒産法判例百選(第6版)』(2021年、174頁)

丸の内駅4番出口から徒歩2分|一人で悩まずに、まずはご相談ください。名古屋総合法律事務所。電話でのお問い合わせは 0120-758-352(平日6時~22時、夜間相談毎週火・水 17時~21時 土曜相談毎週土曜日 9時半~17時) メールでのお問い合わせは24時間受付中です。こちらをクリック。

債務整理のご相談初めての方専用フリーダイヤル | 0120-758-352 | タッチすると電話がかかります。受付:平日・土日祝6:00~22:00

サブコンテンツ

メインコンテンツ

名古屋総合法律事務所

【名古屋・丸の内事務所】
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号
メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル)

【金山駅前事務所】
〒456-0002
名古屋市熱田区金山町一丁目7番8号
電波学園金山第2ビル5階

【本山駅前事務所】
〒464-0807
名古屋市千種区東山通1丁目33番地
エイブル本山1階

【岡崎事務所】
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字北ノ郷45番地

予約受付時間
平日・土日祝 6:00~22:00

債務整理のご相談 初めての方専用 フリーダイヤル0120-758-352|TEL 052-231-2601│FAX 052-231-2602

アクセスはこちら

事務所外観

丸の内事務所外観

名古屋・丸の内エリア

名古屋丸の内事務所

金山事務所外観

金山エリア

金山駅前事務所

岡崎事務所外観

岡崎エリア

岡崎事務所

本山事務所外観

千種エリア

本山駅前事務所

対応マップ

対応マップ

より良いサービスのご提供のため、債務整理の取扱案件の対応エリアを、下記の地域およびその周辺地域に限らせて頂いております。
法人破産に関しては、広域対応をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

【取り扱いエリア】

愛知県西部

(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区, 豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村), 一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))

愛知県中部

(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)

愛知県東部

(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))

岐阜県南部

(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))

三重県北部

(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))

三重県中部

(津市,亀山市,鈴鹿市)

静岡県西部

(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)

お問い合わせフォーム 法律相談のご予約
電話する - タッチすると電話がかかります

〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階 TEL: 052-231-2601(代表) FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故、遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見、不動産・借地借家、離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題、債務整理、過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生、企業法務、契約書作成・債権回収、コンプライアンス、雇用関係・労務問題労働事件、対消費者問題、事業承継、会社整理、事業再生、法人破産 ■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区, 豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村), 一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町) 愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市) 愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)) 岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市, 大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町)) 三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町)) 三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市) 静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)

0120-758-352 受付時間 6:00~22:00
運営管理 Copyright © 弁護士法人名古屋総合法律事務所All Rights Reserved.
所属:愛知県弁護士会